Ku Na'uka Theatre Company
公演は終了いたしました。
ご来場ありがとうございました。
世界に向けていま初演されるアジア演劇の最前線!
韓流と黒潮が駿河湾沖で出会って立ち昇る、かぐわしく高貴なトルネード!
日韓合同作品 「トロイアの女」
原作: エウリピデス
演出: 宮城聰(ク・ナウカ)&ヤン・ジョンウン(旅行者)

あらすじ
十年に渡るギリシャとの戦争の末「トロイの木馬」の奸計によりついにトロイアは陥落し、ギリシャ軍によってトロイアの男はすべて殺され、女はすべて奴隷にされることとなった。女たちにはトロイアの王妃ヘカベとその娘カサンドラの生存がせめてもの救いだったが、ギリシャ軍の使者が現われ、神に仕える巫女として処女を守り通してきた王女カサンドラはギリシャ軍総大将の妾に決まったと告げる。神懸かりのまま連れ去られて行くカッサンドラを見送るヘカベ。だが悲劇は続く。ヘカベの息子ヘクトルの妻アンドロマケが連行されてきて、その遺児アステュアナクスが城壁から突き落とされることになったと告げられる。彼女の抱いていた幼児がギリシャ兵に無理矢理に奪われ、アンドロマケが連れ去られると、こんどはギリシャの強国スパルタの王メネラオスが現れ、そこにこの「トロイア戦争」の引き金となった美女ヘレネが引き出されてくる。ヘレネはメネラオスの后でありながら、トロイア王の息子と駆け落ちし、しかもこの期におよんで再びメネラオスに取り入ろうとしている。ヘカベはヘレネを殺すようメネラオスに詰め寄るが、メネラオスはヘレネの魅力にこころ迷いつつヘレネを連れて去って行く。そして、宵闇迫る頃、ヘカベの許にアステュアナクスの遺体が運ばれてくる。今は涙も枯れたヘカベは孫の遺体を死装束で飾りはじめる。と、そのとき背後で火の手が上がり、神の手で築かれたとも称えられた美しいトロイアはギリシャ軍の放った業火に跡形もなく燃え尽きてゆく。
解説
古代ギリシャ三大劇詩人のひとりエウリピデス(B.C.480〜406)の『トロイアの女』は、紀元前415年春、アテナイで初演されました。トロイア戦争に材をとった三部作の最後に当り、敗戦直後のトロイアの女たちの酷薄な運命を描いています。この徹底して救いのない物語にはしかし、全編に叙情的な美しさが満ち、永遠の生命を持つ名作となっています。
2004年、宮城聰とヤン・ジョンウンはお互いの作品を知り意気投合、エウリピデスの傑作を、ふたりがそれぞれ半分ずつ(前半ヤン・後半宮城)演出するというスリリングな試みに挑戦することになりました。戦争が、非戦闘員である女性や子供たちを残虐にさいなむさまを描く『トロイアの女』は、数あるギリシア悲劇のうちでも、こんにちもっともビビッドな衝撃を持つ作品です。今回の上演が、「未来志向」という単純な言葉では割り切ることのできない韓国と日本の関係の、アーティスト側からの模索として創造されることは、きわめて大きな示唆を含んでいるといえるでしょう。

●劇団「旅行者」<Yohangza Theatre Company> プロフィール
1997年、演出家・作家のヤン・ジョンウンによりソウルにて結成。カイロ国際実験演劇祭での最優秀賞(2003年 エジプト)ほか数々の賞を受賞、国内外で絶大な支持を得ている。2003年には『夏の夜の夢』を日本で招待公演。その他、『カルマ』などユニークな作品をインド、コロンビア、イギリス、スロバキアなど世界中で上演している。過去と現在、伝統と現代の衝突において実験的な地平を開き、舞踊・声・打楽器が韓国の民族性や神話、歴史などと絡み合う、新鮮でエネルギッシュな独特の魅力を放つ。その作品は、韓国のアイデンティティや精神性と密接に結びつく劇空間への旅へと、観るものをいざなってやまない。
阿部一徳、吉植荘一郎、萩原ほたか、大内米治、鈴木陽代、赤松直美、
布施安寿香、山本智美、池田真紀子、杉山夏美、
パク・ミヒュン、チェ・クッヒ
演出: 宮城聰(ク・ナウカ)&ヤン・ジョンウン(旅行者)
照明: 大迫浩二
音響: AZTEC
衣裳: イ・ミョンア 佐原圭子
ヘアメイク: 梶田京子
演出助手: 森奈津美
コーディネート: マ・ジョンヒ
制作: 簡野亜耶子 川口舞 大石多佳子

■名古屋公演
  2005国際芸術フェスティバル 参加

日程: 2005年6月22日(水)〜23日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場: 名古屋市東文化小劇場
 
名古屋市東区大幸南一丁目1番10号カルポート東
【アクセス】
・地下鉄名鉄線「ナゴヤドーム前矢田」下車1番出口
・ガイドウェイバス「ナゴヤドーム前矢田」徒歩3分
主催= 特定非営利活動法人 ク・ナウカ シアターカンパニー
  財団法人 名古屋市文化振興事業団
■名古屋公演
チケット料金(全席指定):
【前売】3,000円
  【当日】3,200円
  ※(財)名古屋市文化振興事業団友の会会員割引あり
チケット取扱:
  ク・ナウカ 03-3779-7653
http://www.kunauka.or.jp
→チケット予約フォームへ
  電子チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード 361-550)
http://pia.jp/t/chubu
  名古屋市東文化小劇場 052-719-0430
一般前売開始 5月14日(土)
ク・ナウカ  03-3779-7653
『トロイアの女』 静岡公演
Shizuoka春の芸術祭2005 参加
日時: 2005年6月18日(土) 19時30分開演
会場: 静岡舞台芸術公園 野外劇場「有度」
料金: 2,000円 (自由席)
主催: 財団法人静岡県舞台芸術センター
お問い合わせ: 静岡芸術劇場チケットセンター 054-202-3399